昼下がりの教室。
お弁当も食べ終わり、次の授業の支度をし始めるクラスメイト達の声がザワザワと耳に触れる。



「昨日のあの番組見た〜?」


「見た見た!ほんっとかっこよかったぁ♡」



最近の女子高生は今話題のアイドルの話で持ち切りのようだ。


まぁ、私はというとーーー



「…ねぇ、三倉さんまた一人…」


「話しかけるのもちょっと怖いもんね〜」



1年の時からいつもそうだった。
私の周りに寄ってくる女子なんかいない。


でもただ唯一あの人はーーー



「三倉さんっ」



窓から指してくる暖かい太陽の日のせいでうとうとしかけていた私の目の前に一人のクラスメイトが現れる。



「さっきの数学、分かんないんだけど、教えてくれないかな?」