「す、すいませんでした」
「すいませんだと?てめぇの口からぁ聞き飽きたなぁ」
「あ、明日返しますからぁ、やめてください!!」
「うっせぇこら!!」

繁華街の路地裏でチンピラはお仕事をしていた。

バシッバシッと鈍い音が夜空に響いた

「いい加減返してくれや、こちとら生活がかかってんだよ!!」
「兄貴、やっちまいやすか!?」
「そうだな。覚悟しやがれ」

「ひぃぃ・・」

ビール瓶を持ったチンピラは振りかぶった。

「その辺にしてやれ」

ビール瓶を握る手が止まった。

「あぁん!?取り込み中なんだ。後にしてくれねぇかな?・・・・・し、白鳥・・」

「よう、達者そうだな。帰ってきたよ。」

白いスーツを着た男が前に立ちはだかった。
チンピラは腰を抜かした。

「兄貴、どなたでしょう?」
「バカ野郎!!てめぇらあっちいけ。」
「へ、へい。行こう。」

男は辺りを見回した。そしてチンピラに告げた。

「二人で、話さないか?」

この男こそ3年前この稼業で流刑のようなものを言い渡された男、白鳥昇だった。

二人はゆっくりと歓楽街へと消えていった。