必ず恵さんも誘っている。
恵さんが岬家の人であるのは知れ渡っているし、恵さんからも二人で外出は仕事以外禁止されている。
それは秘書課として恋愛沙汰で変な噂を立てられるのは良くないと考えられているからだ。
例え私と副社長が婚約していても、社員に発表されていなければ、ただの噂になってしまう。
「なあ、心菜。」
「雨宮とお呼び頂けますか。」
「今は恋人の話だ。」
「それなら家でお願いします。」
「婚約発表しても大丈夫か?」
私の意見はスルーされた。
慈英が真面目な顔を向けて問い掛けてくる。
「婚約を発表したい。」
「…………。」
「覚悟できてる?」
覚悟…………。
この一ヶ月の副社長を見てきた私は頷けないでいた。
『こんな凄い人と本当に結婚するのか?』
『副社長の婚約者として、堂々と隣に肩を並べられるのか?』
『女子社員の反応は?』
『副社長の…………。』
「心菜。」
副社長の落ち着いた声が頭上から聞こえてきた。
いつの間にか目の前に立つ副社長をじっと見上げる。
恵さんが岬家の人であるのは知れ渡っているし、恵さんからも二人で外出は仕事以外禁止されている。
それは秘書課として恋愛沙汰で変な噂を立てられるのは良くないと考えられているからだ。
例え私と副社長が婚約していても、社員に発表されていなければ、ただの噂になってしまう。
「なあ、心菜。」
「雨宮とお呼び頂けますか。」
「今は恋人の話だ。」
「それなら家でお願いします。」
「婚約発表しても大丈夫か?」
私の意見はスルーされた。
慈英が真面目な顔を向けて問い掛けてくる。
「婚約を発表したい。」
「…………。」
「覚悟できてる?」
覚悟…………。
この一ヶ月の副社長を見てきた私は頷けないでいた。
『こんな凄い人と本当に結婚するのか?』
『副社長の婚約者として、堂々と隣に肩を並べられるのか?』
『女子社員の反応は?』
『副社長の…………。』
「心菜。」
副社長の落ち着いた声が頭上から聞こえてきた。
いつの間にか目の前に立つ副社長をじっと見上げる。