そんな副社長は大企業を纏める雲の上のような存在なのだ。

イケメンで独身、憧れの的である副社長はオーラも普通の社員とは違う。

副社長のカリスマ性が憧れを引き起こしているのだ。


「副社長の彼女なんて憧れる。」

「私は岬くんの彼女でもいい。」


何気に凄い発言をしている結衣に苦笑いだ。


「皆は彼女とか彼氏とかいる?」


匠海が私達を見渡した。

お互いが譲り合う光景が目に入る。


「俺はフリー。」


一番はやっぱり賢だ。


「嘘、本当?私もフリー。」


嬉しそうな結衣が賢を見て喜んでいる。

結衣のターゲットは賢だとバレバレの態度だ。


「私もフリー。」

「俺は彼女いる。」


鈴乃、悠輝が発言すれば、自然と視線は私に向けられる。


「私はいる。」


誰かは言えないが。

さらっと答えておいた。


「俺もフリー。雨宮さん、彼氏いるんだ。」


匠海。

そこは流せ。


「いるよ。意外だった?」


さらっと答えた。

ここで隠すような発言は話が伸びていくだろうから。


「残念。俺のタイプなのに。」


本気か嘘か。

匠海が笑いながら答えていた。