慌てて訂正をする。


「あれは緊張してて。」

「ははっ、そうだとは思った。」

「慈英は緊張しなかった?」

「それ以上に見惚れてた。」


何度も褒められて照れる。

今日一日で一生分褒められている気がする。


「義姉貴。」

「…………。」

「心菜、無視すんな。」


幸せに浸っていた私に、突如掛けられた声の方向に視線を向けた。

賢だ。

声から賢だと分かっていたが。


「普通に呼んで。」

「兄貴の嫁は義姉貴だろ。」

「止めて。」

「怒るなよ、綺麗な花嫁が台無しだぞ。」


クスクスと笑う賢は私を揶揄っている。

肩をポンと叩かれて驚く。

肩を出したウエディングドレス。

肌に賢の手が触れて驚いてしまった。


「おい、気安く触るな。」

「悪い、いつもの癖で。」

「肌に触るな。」

「ごめん。」


猛抗議する慈英に賢が謝っている。

そこまで怒る必要ないと思うが、私も驚き過ぎたのかもしれない。


「私も驚き過ぎた。賢、ごめんね。」

「俺も。」


目と目が合えば、アイコンタクトで謝った。