翌日、クリスマスの余韻の残るホテルを手を繋いで歩いていく。

目に入ってきたのはウエディングドレスが展示された部屋だ。

ブライダル専門の部屋に二人で入っていく。

彼方此方にブライダル関係の資料や展示がされている。


「予約している岬です。」

「岬様、いらっしゃいませ。どうぞ此方へ。」


案内された個室に通される。


「只今担当の者が来ますので、少しお待ち頂けますか。」


それだけ言って部屋を出ていく女性の後ろ姿を目で追い掛けた。

テーブルに置かれている沢山の資料の中から、一つだけ手に取って中を見ていく。

慈英も隣で資料を覗いている。


「ウエディングドレスの希望とかあるか?」

「んー、色々と見てみたい。」

「だよな。一生に一度だから悩めよ。」

「ふふっ、うん。」


どのドレスも素敵だ。

真っ白のウエディングドレスを見ていく。

そこへ担当者が入ってきた。


「岬様、お待たせ致しました。」

「いえ、お忙しい所をすみません。」

「いえ、岬様のご長男の結婚式を担当出来て嬉しい限りです。」


前に座る担当者のネームプレートには支配人と記載されている。

?!?

驚きに固まっていた。