カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する

なぜか用意されている私の服と下着が入った鞄を慈英が漁っている。

慈英も同じ鞄に服や下着を詰め込んできたらしい。


「心菜、風呂に入ろ。」

「先に…………。」

「一緒には入りたくないか?」


またしても懇願の瞳が私を見つめてくる。


「もう嫌なのか?」

「あー、わかった。」


結局は折れる。

絶対に確信犯だ。


「なら入ろ。お湯も貯まるだろ。」


さっきとは一変して、私の手を繋いで脱衣所に軽快な歩みで進んでいく。

そんなに嬉しいのか?

疑問も湧く。


「今日はお疲れ、心菜。ゆっくり寛ごうな。」

「慈英もお疲れ様。今日はゆっくりと休もうね。」

「休む?風呂でゆっくり寛いだら、疲れも取れるだろ。」

「…………。」

「今日はクリスマスだし、二人っきりの甘いクリスマスにしような。」


恥ずかしげもなく、甘いクリスマスとか言えるものだ。


「先ずは風呂だな。」


気合い十分な様子の慈英を見上げれば、上機嫌で歩いている。

疲れなんて微塵もなさそうだ。

そんな慈英と二人でクリスマスを過ごす私は体力が持つのか…………考えてしまう。