カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する

確かに来春式を挙げる予定だ。

忘れてはいなかったけど、会社での揉め事もあったし、仕事の忙しさに年末を迎えていた。


「俺の我儘になるが、ブライトンホテルで良いか?」

「あっ、うん。全然大丈夫だよ。」

「っで、式の見学も行くだろ?」

「うん、もちろん。」

「そっか。」


やっと笑みを浮かべる慈英に、不安を与えたのが伝わってきた。

テーブルに置かれた慈英の腕に手を伸ばした。

意外な行動だったのか、腕に伸ばされた私の手に視線を落としている。


「クリスマスが終わったら、一緒に結婚式の話もしていこうね。」

「ああ。ちゃんと指輪をしてくれてるんだな。」

「もう知れ渡ってるから。」

「会社のクリスマスイベントの日、心菜にお願いがある。」

「何?」

「一緒に回って欲しい。」

「えっ?秘書だから一緒にいる…………。」

「違う。婚約者として。」


真っ直ぐに視線が交わり、伸ばしていた手に重ねられた温もりに我に返った。


「えっ?」

「だから婚約者として一緒に回って欲しい。」


真剣な表情の慈英と視線が交わったまま、体が固まっていた。