カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する

秘書課での質問攻めはパッタリと止んだ。

あれだけ副社長に質問すれば満足したのだろう。

だが婚約宣言の余波はまだまだ残っていた。


「あの二人でしょ。」

「秘書とでしょ。」

「あー、秘書課に配属されたかった。」

「営業なら岬くんがいるでしょ。」

「年下だよ。」

「でもイケメンだし、副社長にも劣らないよ。」


こそこそと聞こえてくる声。

前を歩く副社長と武内さん、後ろには私と恵さんが並んで歩く。

隣の恵さんを見ればポーカーフェイスだ。


「そんなにいい?」

「えっ?」

「兄さんも賢も遊び人なのに…………あっ、ごめん。」


申し訳なさそうな顔を向けられ、小さく首を横に振る。


「知ってて付き合ってますから。それに今は違う事を知ってます。」

「そうね。過去ね…………。」

「恵さん?」

「ん?何でもない。」


ランチに向かう私達を興味津々に見てくる社員はまだまだ多い。

でも気にしてはいられない。

もう進み始めているのだから。