学活の時間が終わり、気がつけば帰りのあいさつになっていた。

「きりーつ。礼。さようなら」

椅子を引き、カバンを肩に掛けながら後ろにいる凛太を見た。
まだカバンの中を探ってて、つむじが見えてる…。

なんて無防備な。

「…百崎君。じゃあね。また、明日」

つむじに向かってあいさつしたら、凛太が顔を上げて、にやりと笑った。

「おう。またな」

ああ。

笑顔は変わってないな。
変わってないところもあってよかった。


「りぃちゃん、帰ろーっ」

芹香が駆け寄ってきて、二人で廊下に出る。

まだ教室の中で男子たちとしゃべってる凛太を横目で見ながら、上履きをはき替えた。

一年間同じクラスかぁ・・・。

ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、


楽しみ。