「百崎君は小学校一緒だっただけだよ」

「そうなの?人気あるよねぇ」

へ。なぜあんな奴が?

ちょっと何言ってるかわからない……。
嘘でしょ。あの凛太が。

「背も高いし、頭いいしね。クラブは入ってないけど、運動神経もいいでしょ?」

「知らないなぁ…」

校庭駆けまわって、すっ転んで膝に穴開けてたことしか知らないよ。
そっか。あの頃の凛太は、もういないんだな。

「りぃちゃん、聞いてる?」

芹香にひょこりと顔を覗きこまれて、はっと我に返る。
その勢いで、肘でペンケースを落としてしまった。

カシャーン、カシャン、カラカラカラ……と中身崩壊。

あーあ……。