私と王子様のプロローグ



子供用の的ならもう一段階レベルの高い的に挑戦したけど、大人用はどれも難しく思える。


「一発試しに撃ってみます」


「応援してます」


狙いを定めて、ブレないように銃を構える。


———パンッ!!


「……うわー、倒れない」


「惜しい。当たりましたけどね」


今の位置から少し銃を下げた方がいい、と神崎さんはアドバイスしてくれる。


教えてもらった通りに持ち直して、同じ的を撃ってみると。


「あ!当たった!」


「今度はいい場所狙えたな。次は一段上を狙ってみたら?」


「5点の的は倒したいですよね」


今倒した的より一段上の場所にある大きめの的に標準を定める。うん、この位置でいけるはず。


パンッ!と軽い音がして命中したかと思ったけど、すれすれで的から逸れてしまった。


「外しちゃった。もう一回」


はじめは射的自体を体験できればいいや、くらいの気持ちだったけどやっぱり高得点を狙いたくなってくる。


「あと一歩前に出て撃ってみたら?」