私と王子様のプロローグ



「……少し遊んでから夕食にします?」


「え、いいんですか?」


懐かしい思い出が蘇ったせいか、遊びたいという気持ちが大きくなっていた。


神崎さんにはバレたのかもしれない。


「時間はまだありますから。何がいいですか?」


「うーん、そうですね」


ブース全体をぐるっと見回してから、その中でひとつのブースを指さす。


「射的。やりたいです」


「射的か。分かりました、行ってみましょう」


射的のブースに行くと、子供用と大人用で区切られていた。パッと見ただけでも大人用の方が段違いで難しい気がする。


「いらっしゃいませ!よかったら射的、やってみてください」


スタッフの女性に声をかけられる。


「5発分で、お願いします」


料金を払ってから銃を受け取る。子供の頃に数回やった程度だから緊張してきた。


「水野さん、どこ狙いで行くんですか?」


「ここは手前の的を狙おうかと」