「松田さんでしょ?なんだ、声かけてよ」
そう言って大川君は今度は自分から私達の方へ近寄ってきた。
「......こんばんは」
見つかってしまった以上無視することも出来ず、恐る恐る振り返る。
でも何を言っていいか分からずとりあえず挨拶をした。
「こんばんはって、なんか変な感じするね?」
大川君は柔らかい表情でフッと笑った。
先ほどの冷たい感じは微塵もない。
「お風呂、入ったんだ。髪濡れてる」
「あの、大川君...?」
何事もないような顔をして、私の濡れた髪をそっと撫でる。
......皆、見てますけど。
彩香達は信じられないものを見ている、という様子で、ただ黙ったまま私と大川君と私を凝視していた。

