「お待たせいたしました」






出来上がったホカホカのオムライスをテーブルに置く。






「.....」







その人はオムライスをしばらくじっと見た。





というか、正確にいうとオムライスにかかったケチャップを凝視していた。





「ごめんなさい、調理している母が、その、......時間があるときは、そのお客様をイメージして、文字やイラストをケチャップで書くっていう趣味がありまして.....」






「......」






「ごめんなさい、母が一人で楽しんでるんです。味は美味しいです。気にせず召し上がって下さい」





申し訳なくなって何度も謝ってしまう。





もう、お母さん!




他になんか、なかったのかな!






オムライスにはでっかく





「イケメン♡」






と書いてあった。