「じゃあ、まず本戻そ。いつも通り一番上の棚に戻す本はそこに置いといて。俺がやるから」
「うん。いつもありがとう。助かる」
一番上の棚は届かないこともないけど、大川君はいつも私に気を使ってくれて率先して俺がやるからと言ってくれる。
私の身長だと結構腕が疲れるからそう言ってくれると結構助かるんだよね。
「あ、そういえば大川君がこの前読んでた小説面白そうだから買ってみたの」
「そうだったんだ。言ってくれれば貸したのに」
「ううん、なんていうか私、読んだ本は自分の本として本棚に置いておきたくなっちゃうから」
「あぁ、分かる。結局借りても気に入ったら買うしね」
「やっぱりそうだよね。借りたら返す時名残惜しくなるもんね」
大川君はかなり多くの本を読む。
図書当番の時しかその姿は見ないけど、物語だったり何かの歴史の本だったり、いつも色々な本を読んでる。
大川君のお薦めしてくれる本はいつも面白い。
大川君ほどではないけど私も読書は好き。
本の話もできるし、話すテンションも合うから、意外とこの週一回の大川君との図書当番の時間は楽しくて好きだったりする。

