図書室はテスト明けということもあって利用者がいなくて静かだった。





遠くから聞こえるのは吹奏楽部の音出しと運動部の声。




図書室特有の本の香り。





「落ち着くよね、なんか」




「落ち着くってより、眠くなるな」





「確かに」






図書当番の仕事といえば、返却ボックスに返却された本を元の棚に戻したり、本を借りたい人がいれば対応したりする。




けど、それ以外は基本的にはカウンターにただ座っているだけ。




だからいつも適当に本棚から気になる本を探して時間になるまで読むことが多い。




最初はパラパラ読むだけのつもりでも気付いたら真剣に読んでしまっている、ということが結構ある。