「ごめんね、大川君、わざわざうちのクラスまで来てくれて」
毎週こうやって来てくれるなんて、律儀だよね。
況してやサボったことなんて一回もないし、
遅れてくることもなかった。
「いや、当番一緒なんだから別に普通だろ。行こ」
「うん」
やっぱり大川君も私と同じ考えだったようだ。
お互いクラスは離れているけど大川君の教室から図書室に行くためには結局うちの教室を通る。
約束したわけではないけどなんとなくいつからか一緒に行くことになっていた。
「そういえば松田さん、この前誕生日だった?」
一緒に横に並んで歩き始めると突然大川君が言った。
「え?どうして知ってるの?」
「たまたま2組の教室の前通ったら松田さんの友達が誕生日おめでとうって叫んでるの聞こえたから、そうかなって」
「あぁ、そういえば叫ばれた気がする。そう、ちょうどテスト最終日が誕生日だったの」
まさか教室の外まで聞こえていたなんて。
でも確かにあの時は彩香が叫んでくれたおかけで教室内の友達はみんな祝ってくれた。
結局あの日は色々あったけど最終的には凄く幸せな誕生日となった。
ネックレスもちゃんと毎日着けてる。

