「それじゃあそろそろ時間だから図書室行くね」
「はーい。でもその図書当番もあの大川君と一緒でしょ?いいなぁー」
さっきまで好きな人のことを想っていたはずの彩香なのにすぐにミーハーに戻る。
「あ、凄い!大川君わざわざ迎えに来てくれてるじゃん!」
彩香はうちの教室の入り口の方を見た。
そこには週一回ある図書当番を一緒に組んでいる違うクラスの大川君がいた。
相変わらずどこか気だるげな様子。
どこか猫っぽく見えてしまうのは私だけかな?
彩香いわく、「背が高くてスタイルも良く、クールな雰囲気を漂わせているイケメン君」だそうだ。
私は彩香ほどイケメンに敏感なわけじゃないけど、初めて見たときは確かに整った顔の人だなぁって思った。
今だって一人で廊下にいるだけなのに、それだけで絵になるんだから凄いよね。
周りの女の子も大川君をチラチラと見ているのが分かる。

