「愛衣は?」
「え、私は相変わらずなにもないよ」
奏大さんのことはまだ話せない。
「修学旅行の寝る時なんて恋話で盛り上がりたいじゃん!!愛衣だってその気になれば絶対すぐ彼氏できるって!可愛いし、優しいし、なんたって料理が出来る!これ最高の武器だよ!!」
「えーと、ありがとう。でも修学旅行の夜は彩香とか他の子の話し聞くほうが楽しみだよ」
彩香は勿体無い!と言ってくれる。
でも私が可愛いと思われたいのは奏大さんだし、料理を美味しいと思って欲しいのも奏大さんだけだ。
修学旅行には当たり前だけど奏大さんがいないから、彩香みたいにドキドキすることもない。
ただ純粋に友達と沖縄を楽しんで高校生活の思い出を作ることしか考えてない。

