「テストお疲れ様。今日は遅くまでごめんな?」
「ううん、大丈夫です。それに今日はなんだかとっても幸せな夢が見られそうな気がする」
あったかくて、ふわふわしたような夢が。
「なんだよ、それ」
「分からないけど、そんな気分です」
ふふっと笑った。
「......」
「奏大さんもわざわざ来てくれてありがとうございました。あの.....お仕事、応援してます」
「.....愛衣」
「初めはびっくりしたし、正直、なんだか奏大さんが遠い存在になった気がしたんです。でも、もう大丈夫です。ちゃんと、心から本当に応援できると思います。だからお仕事頑張ってください」
奏大さんが活躍すれば私はきっと自分のことのように、いや、それ以上に喜ぶと思う。
もう、立場の違いに悲しんだりなんてしていられない。
純粋に応援する。
恋愛のシーンは見ると辛くなるかもしれないけど、それでも私は目の前にいる奏大を信じる。
私に会いたいと言ってくれるなら、それを素直に喜ぶ。
それで今はもう十分。

