「宗平、だあれ?そのボーイッシュな子」




聞き慣れない女の子の声が聞こえてきた。




ボーイッシュな子ですと?




その方をよく見てみると、宗平の腕に腕を絡めている女子生徒がいた。




「おまえには関係ねーよ」




宗平は女子生徒の顔も見ずに答える。






この感じだとこの人が好んで女の人といるわけではないのね。








「えー宗平ってば冷たーい。じゃあまた後でね」




そう言い放って女子生徒は絡めた腕を解くと、友達を見つけたのか、前方を歩く女子集団の中へ混ざって行った。




女子生徒は宗平の言葉をあまり気にしていないようだ。





「宗平もっと女の子大事にしろよなー。せっかく言い寄ってきてくれてるんだからさ、真摯に応えてやれよ」





雄先輩。



全くそのとおりですよ。




「ひとりひとり応えてたら、俺の体が堪えるよ」





こいつは…。




名付けてやろう。




自己中ヤローだ。