瞬く間に日々は過ぎ、コンクール当日を迎えた。



会場のトイレで鏡に映る姿を見て、強張った表情をしている自分のほっぺたを叩く。



頑張れ自分。



頑張ろう、みんな。



半年間の集大成が今日発揮される日となる。



目指すは金賞。



素敵な1日になることを願いながら私はトイレを後にした。











「12番、…県立北高校、課題曲は…」



舞台袖に聞こえてくるアナウンス。



一気に心臓の鼓動が高鳴った。



いよいよ始まる初めてのコンクール。




「さあ、北高ギター部、張り切っていくよ!」




「はい!」



顧問の威勢ある声に大きな声で返事をする部員たち。



半年間生活を共にしたギターを持ちステージへ向かうと、だんだんと照明のオレンジ色が前を歩く部員を染めていった。



この光がずっと輝き続けるといいのに。