【 涼也 】



 一学期の初日、俺はいつも通りのつまらなそうな  顔で登校していた。

 「初日ってなんかだるいよな?」
   
 なんて独り言を、言っていると自分が情けなく思  えてきた。
 三週間ぶりの外の日差しは本当に眩しかった。
 1度止まって深呼吸をしてから歩こうとした瞬間の出来事だった。本を片手にもった女の子の左の方向にから車が走ってきている。

 「あの子のところまで大体走ればすぐだ!!」

 全力で走り、何とか女の子ところに行けたものの、車はもう目の前だった。
 
 「間に合ぇぇぇぇぇぇ!!!」

 軽く女の子を突き飛ばした。
 と、同時に
 ━━━キキィーーッ。
 車のクラクションの音と共に跳ねられた。

 女の子が無事なことを祈りながら、ついに意識を失った。


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【 明日香 】



 朝、目覚ましの音が響き渡る。
 まだ、一人暮らしを始めたばかりで、なれないことにチャレンジをしようとしていた。

 「きょ、今日はオムライスにチャレンジする!!」

 なんて独り言を言っている。
 友達からは天然とかバカなど色々な事を言われているが、明日香は、気にしていない。

 突然、電話がかかってきた。
 
 『おかあさん』

 と、ディスプレイに表示されている。
 多分私のことが心配なんだろう。
 ベットから飛び降りて、綺麗に着地した。

 即座に通話ボタンを押した。

 「おはよう、お姉ちゃん!一人暮らしはどう?」

 突然の出来事に戸惑いつつあった、妹の菜奈が、電話をしてくることはめったに無かったからだ。

 「ねぇ、聞いてるの?」

 「あ~はいはい聞こえてるよ」

 「あ、そう?じゃあ聞くね?一人暮らしは楽しい?」

 「えぇ~?まだ二日目だからわからないよ。でも、楽しさはあるんじゃないの?」

 「お姉ちゃん、変な人は部屋にいれちゃダメだよ?いい?」

 「う、うん。って、そんなの当たり前じゃん?」

 「まぁ、元気に暮らしてね????時々そっちに言ってあげるから(笑)」

 と言われて電話を切られてしまった。

 ちょっぴり生意気だけど、可愛い妹だから許せる。

 と考えていると、台所の方から焦げた臭いが漂っていた。

 「あ、忘れてた」

 急いで向かうが手遅れだった。
 オムライスならぬイヌライス、多分犬も食べないであろう、色、形、すべてが星1も、つかないほどの芸術だった。

 時間は過ぎていき、学校に行く時間だった。
 
 急いで用意してあるバックを持ち、誰もいない部屋に向かって、

  「いってきま~す!!」

 と、大きな声で言ってから、学校に向かった。

    







       そして、運命の歩道








 本を片手に歩いていた。
 それと同時に悲劇が起きようとしていた。


 「間に合ぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


 と、大きな声が後ろから聞こえてくる。
 瞬間的に振り返ると、男の人が自転車に乗ったまま、突っ込んで来るのがわかる。
 突然の出来事に、足が動かなかった。
 まぶしいライトの光が目に写っている。
 そのまま彼が突っ込んできて、私は押された。


 「きゃぁぁぁぁぁ!」


 この人は車に跳ねられて、私の上を飛んでいった。
 凄い勢いのまま地面にぶつかってそのまま倒れた。
 私のせいで……


 「誰か~!救急車を呼んでください」


 喉が枯れるほど思いきり叫んだ。
 しかし、誰も助けてくれなかった。
 最寄りの病院ってどこだろう。
 私が運ばなきゃ。
 男の人を持ち上げておんぶの状態で走っていく。
 








    「安心して、私が必ず助けるから」