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「本日はどうも有り難う御座います…」


頬にハンカチを抑えて枯れ果てた夏美の母の顔を見て咲の父親・次郎は胸が痛んだ。


「親友の夏美ちゃんの葬式だってのに咲は何やってんだ?」


不審に思いながらもやはり親友の死に顔を見たくないだろうと思った。


次郎も同じ経験をしているからだ。


彼女はとても綺麗な死に顔だった。


生きてる事をそのまま映し出したような…

高校時代にこりと笑う彼女が好きだった…


邪のない幸せそうな笑顔だった。


綾子…咲の母親に当たる人物


咲は綾子に瓜二つと言っていい程似ていた。


しかし綾子は次郎を裏切った