「昨日は君が総務課から秘書課に異動したのと同時に、僕が常務から専務になった日でもあったんだ。
だから、最初に専務室のドアを開けた人と婚約をしようとそう思ってた」
「…そのドアを開けた人が私だった、と言うことなんですね」
私がそう言ったら、
「そう言うこと」
専務は首を縦に振ってうなずいた。
「これで、僕と婚約する気になった?」
そう聞いてきた専務に、
「なりません」
私は答えた。
話を聞いたから「はい、そうですか」ってなる訳ないでしょうが。
「まあ、いいよ。
後は時間をかけて、君が首を縦に振ってうなずくのを待つだけだから」
いや、こないですから。
私が心の中でツッコミを入れたことに、専務は気づいていないだろう。
「それで、家はどこ?」
「…F町の2丁目です」
私が答えたのと同時に、車はそちらの方へと走り出した。
だから、最初に専務室のドアを開けた人と婚約をしようとそう思ってた」
「…そのドアを開けた人が私だった、と言うことなんですね」
私がそう言ったら、
「そう言うこと」
専務は首を縦に振ってうなずいた。
「これで、僕と婚約する気になった?」
そう聞いてきた専務に、
「なりません」
私は答えた。
話を聞いたから「はい、そうですか」ってなる訳ないでしょうが。
「まあ、いいよ。
後は時間をかけて、君が首を縦に振ってうなずくのを待つだけだから」
いや、こないですから。
私が心の中でツッコミを入れたことに、専務は気づいていないだろう。
「それで、家はどこ?」
「…F町の2丁目です」
私が答えたのと同時に、車はそちらの方へと走り出した。