ロマンスがありあまる

「今日も家にくるでしょ?」

そう聞いてきた専務に、
「いろいろと決めることがありますからね」

私は答えた。

「いつも言ってるけど、僕は楓子に反対しないからね。

ちゃんと楓子の話に耳を傾けて、楓子の好きなようにさせるから」

「でも、国光さんもちゃんと自分の意見を言ってくださいよ。

私に丸投げと言うのは、いくら何でもダメですからね」

「わかってるよ」

専務はそう返事をすると、車を発車させた。

「その前に夕飯の準備がしたいので、先にスーパーマーケットに寄ってもいいですか?」

運転している専務に声をかけた私に、
「うん、いいよ」

専務は首を縦に振ってうなずいた。

――この度、遠野楓子は鷹司国光と結婚することになりました。

☆★END☆★