高校3年生の夏。
今は学校祭の準備期間。
蝉はミーンミンと鳴き、その声を打ち消すように合唱の声が聞こえる。
外では木材をもって行灯を作っている生徒や、模擬店のテントを建ててる生徒。
教室で装飾やイベント準備をしていた。
本来ならその作業に参加するはずなんだけど、私は生徒会室にこもり、パソコンとにらめっこしていた。
「会長ー。ここなんだけど、去年のままでいい?」
去年の10月から、1年間生徒会役員として活動していた。
学校祭のタイムスケジュールやその他必要な書類をプリントアウトしないといけないんだけど、パソコンを得意とするメンバーがいないため、私が担当していた。
まぁ、正直クラスの手伝いをしたいなんて思わないからこっちでみんなと話しながら作業してたほうが楽しいんだけど。
「ほっ!よっ!とぅ…あぁ!!?」
その声と共に、私の後頭部を衝撃が襲った。
「いっ………た……っ…。ちょっと!!小林!」
「悪い悪い!手元がくるった!」
こいつは小林翔哉(コバヤシ ショウヤ)。
生徒会執行部。
生徒会の役柄はないけど、部員として生徒会を手伝ってくれている3年生。