「由美〜!!久しぶりぃぃ!」
めっちゃ可愛い!私と同じワンピースだけど私とは違ってほんとに可愛い!
きゅっと上にポニーテールした少しブラウンの髪は凄くキレイで憧れる
「一昨日も塾であったじゃん。」
ははっ、そうだったっけ。そんな会話をしながら私たちはショッピングモールへと入っていった。
「ねぇ 由美?」
「なーに?」
ん?と首をかしげる由美。
「私のよく見る夢のことなんだけどさぁ」
「あぁ、あの男の子の話?」
よく相談してるからすぐに分かってくれる
「また見たんだよね。いつも泣いてる。何なんだろう。」
「会いに行ってみたら?その子に。」
いきなり由美がそんなことを言うのでちょっと驚いた
「えぇ!?でも名前も住所も分からないんだよ??」
「そっかぁ、他に分かることは?」
頭をフル回転させて考える
「同じ歳なのと、その時どこに住んでたかは分からなかったけどよく遊んでたこと、最後のお別れの時は泣いてたこと。あとは最後にくれた小さなビンに入った星の砂と…落としていった時計かな…」
あともう1個
「あとはその子のお父さんが亡くなっちゃって…」
それだけは覚えてる。だから泣いてたのかな。
「お父さんかぁ、それは辛いよね。あとは星の砂を時計が気になるなぁ、今度ゆっくり見せて。」
私はコクリとうなずいた。
大切にしているその二つはちゃんと引き出しにしまってる、でも手がかりなんて何もない。
やっぱりその男の子は夢の中だけで終わるのかな………