「俺は今、施設にいる。いつかはお前に話さないといけないと思って。その時計を返してもらうために。」
驚いた。…し、せ、つ?どうゆうこと?
心臓がバクバクしている……
「俺の親父は俺が小さい時に死んだ。お袋は親父の借金に追われて何処かへ逃げた。分からない。お袋はもうこの世にはいないかもしれない。5歳の時祖父母も親もいない俺は施設に引き取られた。そして、その時計は親父がずっと大切にしていた形見だ。だから……」
「分かった…!返すよ」
私は彼が言い終わる前に言った
「ありがとう」
「じゃあな」
それだけ言って電話を彼は切ってしまった…