「うん……ずるい」
私はぜんぜん伸びてないもん。

「伊田を抜かそう!」
希望に燃えた目をするけれど
バレー部の壁と言われる伊田君を抜かすのは無理だろう。
私が笑うと平子君も笑う。

太陽のような笑顔だった。

「俺……心愛の事が好きだけど、あんまり考えないで、お前はお前の好きなヤツに突き進め」

「平子君……」

「ちょっと保健室に行って身長測ってくるわ!」

平子君は逃げるように廊下を走って
私の目の前からいなくなった。


私の好きな人



きっと私は中原君に片想いしている。