「私が伊田君とか中原君と楽しく話をしてたら、たまに嫌な顔したりする」
私からの攻撃にグッと喉に何かを詰まらせた顔をする平子君。
「あと……中原君からもらったシャーペンを平子君が無理やり自分のと取り換えたりして」
実花のミッション失敗した。
思い出してついそう言うと
「俺は小さい人間だから、嫉妬深いの。それだけ!」
真っ赤な顔で逆ギレされてしまった。
やっぱり子供。
「私、平子君に『俺達の仲間でもないのに、調子のってんじゃないよ』って嫌われたと思って、本気で心が痛くなった」
「違うって心愛のバーカ」
「だってそう思ったんだもん」
「心愛だって俺の事『嫌い』って言ったろ」
「言ってない」
「俺がシャーペン渡した時、言った」
そう突っ込まれて思い出す
あ……言ったかも。
ミッション失敗して、思わす言ってしまった。
その後、平子君はコケたっけ。
苦い顔で私を見る平子君。
ごめん。
それは私が悪い。
実花のミッションしか頭になくて
「ごめんなさい」
素直に謝ると「うん」って言ってくれて
静かな沈黙がまた訪れる。



