平子君
怒ってる?

やっぱり私は邪魔だった?
調子にのって
あそこの席で楽しんでるのがウザかった?

じんわりと涙目になってたら


「心愛が好きだ。俺と付き合って」

ありえない言葉が
平子君の裏返った声で私に届いて自分の耳を疑った。

平子君はまだ怒ったような顔を崩さず「ダメ?」って強く聞く。

「え?」

え?……しか出ない。

「いや……俺と付き合って……って話」

「は?」

「は……じゃなくて」

「いや……無理!」

反射的に言うと

「返事早っ!」

やっといつもの平子君の顔に戻った。