井原さんはいい匂いがした。
急接近
最初の感想がそんなんで
本当にバカみたいだけれど
とっても
いい匂いがした。
近くで見ても綺麗な顔で、同じ女子なのにドキドキする自分が不思議だった。
「狭くない?」
「大丈夫だよ。井原さんこそ狭くない?」
「笹原さんが細いから大丈夫だよ」
気づかってくれたのが嬉しかった。
教科書を読む時は凛とした声をしてるけど、普通に話すと優しい声をしている。
「僕達ってまぎらわしくない?」
いきなり中原君がそう言うと
平子君がちょっと不機嫌に「何?」って答えた。
「その急に不機嫌って何?」
「別に不機嫌じゃねーし」
ううん。不機嫌顔かも
あ、私が入ったからかな
そうならどうしよう……。
心がウロウロしてしまう。
幽体離脱とかできたらいいのに。
どこでもドアが欲しい
やっぱり
ドラちゃんが欲しいなぁ。



