「平子君こそ部活は?」
白い練習着じゃなくて
ジャージ姿の平子君。
「今日はミーティングからの室内練習」
平子君はずっと野球をやっていて、そこそこ強いうちの中学の野球部で一年生ながらレギュラーで活躍していたと、平子君のファンから聞いた事がある。
「心愛ちゃんのサックス聴きたかったな」
心愛ちゃんって呼ばれて
解けた緊張がまた復活しそう。
「私……下手だよ」
てゆうか
私がサックスを吹いてる事を知っていて驚いた。
「文化祭とかカッコよかったよ。マーチングの時は口からサックスが逃げてったけど」
「それは忘れて欲しい」
マーチングは苦手だもん。
今年は頑張る。
「新入部員入った?」
「5人入ったけど、直接同じパートの後輩は入らなかった。野球部は?」
「12人」
「すごい!チームできちゃうね」
「男バスの方が上だけどな。女バスも多いよ、中原効果かも」
中原君目当てで
少しでも近づきたいと思って
女子バスケに入る子もいるよね。
いいなぁ
あれ?違う違う。
いいなぁ……は、違うでしょう。



