次の日
目を覚ましてスマホで開くと、もう9時過ぎていた。
何時に寝たんだろう
でも熟睡できた。疲れてたのかな。

自分のベッドの横を見ると
丁寧に布団がたたまれていた。
杏珠の姿はない。

寝ぼけまなこでパジャマのまま居間に行くと、杏珠が妹の心音の隣に座り雑誌を仲良く読んでいた。

「心愛おはよう」

「おはよう」
同じ時間に寝て
寝不足のはずなのに杏珠の顔は爽やかだ。

顔が綺麗だから?

「お客さんより遅く起きてどうするの?早く顔を洗ってご飯食べなさい。杏珠ちゃんは全部終わってるわよ」

「えーっお姉ちゃんゆっくりでいいよー。私が杏珠お姉ちゃんと遊んでるから」

お母さんと妹に言われてしまった。
ここの長女は私だぞ。
そう思いながら
杏珠が受け入れてもらえるのが嬉しい。

お母さんもお父さんも心音も杏珠のファンだけど、一番のファンは私だよね。

杏珠を心音に任せ
身支度を終わらせてご飯を食べてると
玄関のチャイムが鳴った。

お母さんと杏珠が顔を見合わせ
お母さんが玄関に行くと

「本当にお世話になりました」

知らない声が玄関から聞こえ

「お母さんが迎えに来た」
杏珠は小さな声を出し
大きく深呼吸してから心音の頭をなで
お母さんを追って玄関に行く。

私も慌ててパンを皿に置き
杏珠の後を追った。