君は太陽

「ああ。だけど、その前に」

すると、今までいつもの優しい顔をしていた静也の顔が、少しだけ意地悪な笑顔になった。

何かを企んでそうな、そんな顔。

普段見ることのない静也の表情に首を傾げていると、静也はニッコリ笑みを深めてこう言ったのだった。

「で、なんで瑞穂はこの離婚届を持っていたのか、ちゃんと説明してくれるよね?」

それから小一時間。

私は結衣ちゃんも巻き込んで、今回の騒動の発端を静也に説明する羽目となったのだった。

でも、そんな時間も私にとってはとても貴重な時間。

静也が側にいてくれる。そのことが、すごく大事なことだから。

私の弁明を聞いてホッとした静也が、「ちょっとだけ休ませて」と静かな寝息を立てている横で、私は今までにない幸せな空気を感じながら、静也としたいことをスマートフォンのメモに書き記していたのだった。