「結衣はさあ、松嶋くんにひとりでテディベア展行かせる気?」
そう言われて、私は隣に座っていた松嶋くんの方を見ると、彼はなんとも言えない苦笑いを浮かべて私のことを見つめていた。
「松嶋くんがひとりでも行きたいくらいのクマ好きなら何も言わないよ。でも、そこまでの興味を持たない二十二歳男性がひとりで行くのは、ちょっとハードル高いかなって思わない?」
きょんちゃんに言われて想像してみる。
松嶋くんが、ひとりでテディベア展へ足を運ぶ。
ひとりで、クマに溢れた会場を歩く。
長身でシュッとしたイケメンが、気になるテディベアを手に取ったりなんかして、しかも可愛いなあとか思って微笑んでいたりしたら。
「画になりそう。松嶋くんのことを気に入った女の人から声掛けられたりとかしちゃうんじゃない」
「結衣~っ」
なぜかうなだれるきょんちゃん。でも数秒後にはスクッと顔を上げて、いつものようにキリリとした表情になった。
「松嶋くん、私がしてあげられるのはここまで。後は自分でなんとかして」
「サンキュ」
一体ふたりは何の話をしてるんだろう?
よくわからないままジャスミンティーを口にすると、松嶋くんが私の名前を呼んだ。
「あのさ、三枝。せっかくだからテディベア展、一緒に行かない? ……いや、一緒に行ってほしいんだ」
真っ直ぐに私を見つめる瞳に、小さく心臓がはねる音が聞こえた。
この目には逆らえない……。
私は小さく息を吐き、コクン、とうなずいた。
そして、週末の土曜日がやってきた。
結局松嶋くんとデティベア展へと向かうことになった私。
約束は土曜日の十時、会場である美術館で待ち合わせ。
約束二時間前の八時過ぎ。朝食を食べ終えた私は部屋の中、クローゼットの前でうなり声を上げていた。
勢いで約束したので、男の人と出掛けるのはこれが初めてだと気づいたのは火曜日帰宅してから。
確かに、同期である松嶋くんともうひとりの同期、原くんとは飲みに行くこともあるけれど、それはあくまで仕事の延長線。
そう言われて、私は隣に座っていた松嶋くんの方を見ると、彼はなんとも言えない苦笑いを浮かべて私のことを見つめていた。
「松嶋くんがひとりでも行きたいくらいのクマ好きなら何も言わないよ。でも、そこまでの興味を持たない二十二歳男性がひとりで行くのは、ちょっとハードル高いかなって思わない?」
きょんちゃんに言われて想像してみる。
松嶋くんが、ひとりでテディベア展へ足を運ぶ。
ひとりで、クマに溢れた会場を歩く。
長身でシュッとしたイケメンが、気になるテディベアを手に取ったりなんかして、しかも可愛いなあとか思って微笑んでいたりしたら。
「画になりそう。松嶋くんのことを気に入った女の人から声掛けられたりとかしちゃうんじゃない」
「結衣~っ」
なぜかうなだれるきょんちゃん。でも数秒後にはスクッと顔を上げて、いつものようにキリリとした表情になった。
「松嶋くん、私がしてあげられるのはここまで。後は自分でなんとかして」
「サンキュ」
一体ふたりは何の話をしてるんだろう?
よくわからないままジャスミンティーを口にすると、松嶋くんが私の名前を呼んだ。
「あのさ、三枝。せっかくだからテディベア展、一緒に行かない? ……いや、一緒に行ってほしいんだ」
真っ直ぐに私を見つめる瞳に、小さく心臓がはねる音が聞こえた。
この目には逆らえない……。
私は小さく息を吐き、コクン、とうなずいた。
そして、週末の土曜日がやってきた。
結局松嶋くんとデティベア展へと向かうことになった私。
約束は土曜日の十時、会場である美術館で待ち合わせ。
約束二時間前の八時過ぎ。朝食を食べ終えた私は部屋の中、クローゼットの前でうなり声を上げていた。
勢いで約束したので、男の人と出掛けるのはこれが初めてだと気づいたのは火曜日帰宅してから。
確かに、同期である松嶋くんともうひとりの同期、原くんとは飲みに行くこともあるけれど、それはあくまで仕事の延長線。


