ちょっと走ってきたのだろう。シャツの首元を手で軽く扇いでいる松嶋くんの額には、少しだけ汗がにじんでいる。
「うん。とーっても美味しかったよ。あの桃なら、私いくつでも食べられそう」
「そっか。じゃあ、得意先の人に伝えておくよ」
そうやって松嶋くんがニコニコと笑う。
私も一緒になって微笑むと、「結衣、松嶋くん。お疲れ」と、手を振りながらきょんちゃんが歩いてきた。
ふたりで手を振ると、きょんちゃんが小走りに駆け寄ってくる。
「ちょうどよかった。ふたりに話があるんだけど、今ちょっと大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
電車に乗って家に帰れば、夕食をすませてのんびりするだけの予定だった私は、きょんちゃんに即答する。
「俺も大丈夫だけど」
「じゃあ、あのカフェで軽くお茶でもしながら」
そうやって笑うきょんちゃんの後ろをテクテクとついていく。
お店に入って、松嶋くんときょんちゃんはアイスコーヒーを、私はジャスミンティーを注文する。
「で、話って?」
「うん。ふたりとも、今週の週末ヒマ?」
「私は特に。家の掃除しようかなって思ってただけだけど」
私の返事に、きょんちゃんがニンマリと笑う。
「よかったあ。じゃあこれ、ふたりに渡すから行ってきてよ」
トン、とテーブルに置かれたのは、テディベア展の招待券が二枚。
「これ、今度の日曜日までなんだけど、せっかくもらったのに私行けそうにないの。結衣、テディベア好きでしょ? せっかくだから行ってきて」
「ありがとう。行きたいなあって思ってたからうれしい」
テーブルの招待券を一枚手に取り、私は大事にバッグにしまう。
本当に気になっていたテディベア展。タイミングを逃して行けずじまいだったけど、きょんちゃんのおかげで行けそうだ。
最終日の日曜日は人が少し多そうだから、土曜日の方がいいかなあ、なんて考えを巡らせていると、きょんちゃんが私の目の前で手をひらひらさせていた。
「こら、結衣。もしかしてひとりで行こうとしてない?」
「え? そうだけど?」
ハアッ、と店内に響き渡るんじゃないかと思うくらいの大きなため息をついて、きょんちゃんがジトーッと私のことを見つめる。
「これ、二枚あるの。んで、私、結衣と松嶋くんに渡すって言ったよね?」
「うん。言ったね」
「うん。とーっても美味しかったよ。あの桃なら、私いくつでも食べられそう」
「そっか。じゃあ、得意先の人に伝えておくよ」
そうやって松嶋くんがニコニコと笑う。
私も一緒になって微笑むと、「結衣、松嶋くん。お疲れ」と、手を振りながらきょんちゃんが歩いてきた。
ふたりで手を振ると、きょんちゃんが小走りに駆け寄ってくる。
「ちょうどよかった。ふたりに話があるんだけど、今ちょっと大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
電車に乗って家に帰れば、夕食をすませてのんびりするだけの予定だった私は、きょんちゃんに即答する。
「俺も大丈夫だけど」
「じゃあ、あのカフェで軽くお茶でもしながら」
そうやって笑うきょんちゃんの後ろをテクテクとついていく。
お店に入って、松嶋くんときょんちゃんはアイスコーヒーを、私はジャスミンティーを注文する。
「で、話って?」
「うん。ふたりとも、今週の週末ヒマ?」
「私は特に。家の掃除しようかなって思ってただけだけど」
私の返事に、きょんちゃんがニンマリと笑う。
「よかったあ。じゃあこれ、ふたりに渡すから行ってきてよ」
トン、とテーブルに置かれたのは、テディベア展の招待券が二枚。
「これ、今度の日曜日までなんだけど、せっかくもらったのに私行けそうにないの。結衣、テディベア好きでしょ? せっかくだから行ってきて」
「ありがとう。行きたいなあって思ってたからうれしい」
テーブルの招待券を一枚手に取り、私は大事にバッグにしまう。
本当に気になっていたテディベア展。タイミングを逃して行けずじまいだったけど、きょんちゃんのおかげで行けそうだ。
最終日の日曜日は人が少し多そうだから、土曜日の方がいいかなあ、なんて考えを巡らせていると、きょんちゃんが私の目の前で手をひらひらさせていた。
「こら、結衣。もしかしてひとりで行こうとしてない?」
「え? そうだけど?」
ハアッ、と店内に響き渡るんじゃないかと思うくらいの大きなため息をついて、きょんちゃんがジトーッと私のことを見つめる。
「これ、二枚あるの。んで、私、結衣と松嶋くんに渡すって言ったよね?」
「うん。言ったね」


