「そうだったの?」

「ああ。そうしたら、こっちから頼む前に呼んでくれるし、挙句オプションで愛の言葉とか、反則だよ」

「松嶋くん……」

すると、松嶋くんの腕の力が弱まり、背中に回されていた手が私の顔を包み込んだ。

「名前で呼んで」

綺麗な瞳に見つめられると、心臓のドキドキが高まって、体内温度が急上昇してくる。

私はゆっくり息を吐き、目の前の松嶋くんの顔をしっかりと見つめた。

「蒼大くん。大好きだよ」

ニッコリ笑った蒼大くんの顔がゆっくりと近づいてきて、唇が触れそうになった瞬間、トントン、とドアをノックする音が部屋に響いた。

「蒼大くん、結衣ちゃん。そろそろ食事に行かないかい?」

「……この続きは食事の後で」

妖艶にウインクをする蒼大くんに、私は真っ赤な顔でうなずくしかなかった。