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「本"当"に"行"っ"ぢゃゔの"佐"お"兄"ぢゃん"〜〜〜〜」



桜の咲き乱れるぽかぽかとあたたかい校庭で、
私は人生最悪最低の時を迎えていた。



卒業シーズン。


私の幼なじみで好きな人、加藤佐(かとうたすく)お兄ちゃんは今日で中学校を卒業する。


身構えていても、分かっていた事でも、好きな人が卒業するのはやっぱりつらい。

私も佐お兄ちゃんと同級生なら良かったのにな、とつくづく思う。


溢れた涙は、春の校庭に落ちては染み込んでいく。