「でもなんで、愛莉ちゃん、学校行かなかったの?」


「いえ、私…恥ずかしいことにウエディングプランナーになるって
決めたんですが両親たちからは反対されて…。
とりあえず普通の会社員をやって3年経験してから、許してもらいました」

踏み台にしてしまった会社には大変申し訳ないと、今は心の中で
思っているのだろう、愛莉の眉間のしわが少し深くなった。


「でもすごいよね。小さいときの感動がいまだにあるって、もうそれは運命だよ!」
「ですよね!私もそう思います。なんというか、女性の夢だと思うんです」
「そうそう、女性の夢!よくいった鉄!」

男性の低い声がしかたとおもっていたら同じプランナーの先輩の
平田 剛(ツヨシ)先輩である。がっちりしたガタイはいつも
スーツに隠れているが飲み会だからか上着を着ていなく白いシャツの裾を
まくっていて前腕筋群がしっかりと見える。

本日は会社の飲み会であり、プランナー同士の親睦も深めるの会(1回目)
の開催日であった。幹事は東京本店の人らしいが、今回の飲みの会場は
予算以上というぐらいの素敵なお店だ。
ネットでも高評価であり、予算額を見た瞬間立ちくらみをしたのを覚えている。


鉄 愛莉、私はごく普通の女である。