出会いは最悪だったけど
そこに行くとなぜかいつも慎吾はいた。


何度か勇士くんに連絡して
来てないかを確認していたけど
勇士くんも嘘をついてくるようになった。


次第に、私は慎吾と冷たくあしらいながらも
話すようになって連絡先を交換した。


ある日、慎吾が来てない日に飲んでいた。


「そういやあの若い子。莉央にべた惚れの」


「そーゆうのじゃないよ」


「いーや!あれは惚れてるね。
莉央が来る前いつも言ってんだよ。
莉央ちゃんてほんと可愛いよねとか
冷たいけど諦めない!とか」


クスクス笑いながら勇士くんが話す。


「でもなんで、私が来る日わかるんだろうね」


「あいついつもオープンに来て
莉央が来ない日はラストまでいるよ」


「は!?」


嘘でしょ...


私がここのバーに来るのはだいたい
週に2、3度。
それを毎日オープンから待ってるの!?


「ばかなの?あの子...」


私を好きだとか、そんなふうには見えない。


だだ、そこにいた女の子が私だっただけで
きっと彼は自信があるから声をかければ
ちょろいだろうと思ったんだろう。
それがまさか無視されるわ冷たくされるわで
おもしろかっただけ...


その程度にしか思ってなかった。


「まあ、私は年下は許容範囲外」


「そんなこと言って、ヤケに携帯気にしてるけど?」


どきっ。


連絡先を教えたのに、慎吾からの連絡はない。


なによ、あいつ。


「別にあんな若僧からの連絡待ってるわけじゃない」


「俺、あの若僧からなんて一言も言ってないよ?」


かあっと顔が熱くなる。


勇士くんのばか.....