慎吾との出会いは、私がハマっていたダーツバー。


「ねえねえ、名前なんて言うの?
ライン教えてよ」


はあ、ナンパ?今時の若いのはほんと、、、


「ねえ、無視されるんだけどー!!」


一緒に来ている何人かの友達に
笑いながらそう言うとまた戻ってきた。


「ねえ、勝負しようよ」


「....」


「とりあえず名前わかんないからさ
んーあやちゃんで!」


意味分かんないこの若僧....


ちょっといらついてきたのがわかったのか
バーの店長、勇士(ゆうじ)くんが会話に入ってきた。


「莉央!俺が組んでやるから!
勝負しようぜ!その代わりそっちが負けたら
飲めよ〜!」


「いや、勇士くん。私別に若いのと絡みたくないんだけど」


「シカト続けても莉央の顔がこえーんだよ」


はあ、、、とため息をついて勝負を受けた。


私はうまいわけではないけどへたでもない。
ぼちぼち大会に出てるくらい。
でも勇士くんはプロを目指して日々奮闘して
一日に何十時間とダーツと向き合ってる人だ。


負ける気がしないわこんな若僧。


相手のレベルは知らないけど
なぜか、負ける気がしなかった。


案の定、ゲームは私と勇士くんの勝ち


「ほい!罰ゲームテキーラ〜!!」


並べられた人数分のショットグラス。
なんで俺らまで!?ととばっちりをくらう
友達たち。


「負けたけどさ〜...
ライン教えてよ。りおちゃん」


「...しつこいんだけど。
年下とか興味ないしはやく帰って寝な若僧」


それだけ残して私は店を出た。