かじ君は、
胸元のバッチを外し、
”かじ君”と書かれた紙を抜いた。

それから
ポケットに入れていたボールペンを出し、
私に渡してきた。


「今度連絡するんで
 連絡先、書いてください」


『あ・・はい』


手が。
手が、震える。

自分の携帯番号を
震える指でなんとか書いて
かじ君に返した。