この木の下で

キーンコーンカーンコーン...

チャイムが鳴り皆が帰りの準備を始める。

すると花恋が大きな声で「カラオケそのまま行くよー!!」と言った。

花恋クラスに馴染むの早いなぁ。

花恋の呼びかけで皆はどんどん教室から出ていった。

「ゆずー?いくよー!!」

「うん!!」

今日みんなと仲良くなれたらいいなぁ…。

瀬戸口くんは…来ないよなぁ。

「どうしたの?」

ちらっと瀬戸口くんの方を向いたら自分の席で帰る支度をしていた。

「ううん!!なんでもない!!」

下駄箱で靴を履き外に出る。

外はまだ明るくて帰る生徒でざわざわしていた。

花恋はとっても楽しみにしてるみたい。

「花恋はすごいね…」

「え〜なにが〜?」

花恋は笑ってこっちを見た。

「すぐクラスに馴染めて…お友達もすぐできて…」

そう言うと花恋はアハハと笑った。

「近くにあんなにうるさいやついたらそりゃあこんな明るくもなっちゃうよ〜」

…一ノ瀬くんのことだろうな。

「花恋は一ノ瀬くんのこと…どう思ってるの?」

そう言うと一瞬で花恋の頬は赤くなっていった。

わかりやすい…!!可愛い…!!

「なんで…!!急に…!!」

「急じゃないよ。ずっと思ってたよ!!」

私が笑ってそう言うとなにそれと言って花恋も笑った。

「高校になってモテ始めたらとか考えたら嫌だなって…。1番になりたいなって思ってる…。」

花恋はそう言った後少し下を見て「好きだと思う」と言った。

「か、可愛い…!!」

なんか私まで幸せな気持ちになってふふっと笑った。

「なに笑ってるの〜〜」

そう言って花恋は私の頬をつねってきた。

「い、痛いよ花恋…!!」

「アハハ」

今までで1番の笑顔で花恋は笑っていた。

花恋が一ノ瀬くんを好きなのは少し気づいてはいたけど実際花恋の口から聞くと嬉しくてニヤケが止まらなかった。

花恋は昔から私のことを一番に考えていてくれて、私は嬉しかったけどそのせいで充分に恋愛ができていないと思う。

だから実って欲しいってすごく思ってる。

でも一ノ瀬くんとは両思いなんじゃないかな?

一ノ瀬くんは私たちが小学校4年生の頃に近くに引っ越してきた。

その頃からずっと3人で過ごしてきた。

私と花恋よりは時間は長くないけどそれでも6年くらいは一緒にいる。

私が落ち込んでいたり寂しくなっている時は2人が家に来て元気づけてくれたり、本当に感謝してる。

だからこそ大好きな2人が付き合ってくれたら私はとっても嬉しい。

頑張って欲しいなぁ。