「できた...!!」

机に並ぶ2つのお弁当箱。

瀬戸口くんに渡すんだと思うと口角が自然に上がってしまう。

瀬戸口くん喜んでくれるかな?

「わ、時間だっ」

急いで玄関のドアを開ける。

もう花恋がいた。

「お〜そ〜い〜」

「ご、ごめん!!」

頬をふくらませている花恋。

でもすぐに笑顔に戻って「昨日カラオケ楽しかったね!!」と言った。

昨日...か。

色々ありすぎてカラオケに行ったことが遠い昔のように感じる。

でも昨日の記憶で嫌なことを思い出さずにすんでるのはきっと瀬戸口くんのおかげ。

思い出すだけで口角がまた上がりそうになった。

「あ、のさ...今日花恋に話したいことがあって...」

「今でいいよ?」

「長すぎて休み時間中におさまらないっていうかっ」

と言うと花恋はなにそれと笑っていた。

「わかったわかった!!
今日帰ったらすぐ電話するね!!」

優しいなぁ花恋は。

「ありがとう!!」

学校に着き教室に入ると花恋は友達に呼ばれてどこかに行ってしまった。

私も花恋以外でも友達つくらないとなぁ...。

席に向かっていると会いたかった人の後ろ姿が見えた。

「おはようっ!!」

「おうおはよ」

あれ...?いつもと同じだ...。

前より仲良くなれたって思ってたのにな。

何も変わらないのかなぁ。

そう思ってしょぼんと席に着こうとすると、瀬戸口くんはこっちを向いた。

「...楽しみにしてるから」

瀬戸口くんはそう呟くと教室から出ていってしまった。

「...え!!」

「ゆずー!!」

遠くから花恋が呼ぶ声が聞こえた。

でもそんなこと入ってこなくて。

「ゆずどうしたの?」

「た、楽しみにしてるって...」

「え?」

聞き間違いじゃないよね...っ!!

覚えてくれたんだぁ...。良かったぁ。

あまりの嬉しさに笑みがこぼれる。

「ふふ」

「ゆず!?本当にどうしたの!!」

「えぇ?何でもないよ〜!!」

頭がふわふわして私このまま飛んでいけそう。

瀬戸口くんと一緒に私が作ったお弁当を食べる...。

全く想像出来ないけどあと4時間後くらいには一緒に食べてるんだ...!!

嬉しくて...幸せで...ドキドキして...。

昼休み、楽しみだなぁ!!

「ゆずったら!!」

「あ、ごめん花恋!!」

「もう〜今日いっぱい聞くから覚悟しときなよ〜


花恋はにやにやしながらそう言うと少し顔を曇らせた。

「…私も聞いて欲しい話あるし」

「え?」

私がそう言うと花恋はなんでもないと言って話を変えた。

どうしたんだろう。