反射的に振り向こうとしても、そのシャーペンの先がクッと少し強めに背中に刺さる。




「後ろ振り向いたら、また先生に怒られるよ」

「っ、」

「いい子。そのまま授業に集中しなよ」



クスッと笑う声が、後ろから聞こえる。




……また始まった。


和泉くんの、気まぐれな意地悪が。




そう思ったところで、もう遅い。




「意外と背中効くんだね、花宮さん」

「…〜…ッ」


私にしか聞こえてない小声の和泉くんの声が、もう楽しんでるようにしか聞こえないから。