前田くんのおかげで気が紛れた私は、ようやくノートをとることに集中する。 ……さっきの慎くんのあれは、きっと見間違いだよ。 うん、きっとそうだ。 そう納得させた直後に、背中に何かが当たった。 シャーペンの、先…? 何だろうと後ろを振り向こうとした瞬間、その先がゆっくりと背筋をなぞり始める。 ──────ツー… 「……っ!」 思わず声が出そうになって、必死にそれ抑えた。