「 (見間違い…だよね?) 」 慎くんが、人に睨みつけるだなんて。 見たこともない従兄弟の表情に、私は内心戸惑っていた。 それは、午後の授業でも頭にチラついていて。 「……ちゃん、花宮ちゃん」 「…へっ?」 隣の席の子に名前を呼ばれても気付かないほど、私はボケっとしていた。 「ははっ、大丈夫?眠い?」 「う、ううん!大丈夫…!」 授業中ということもあって、ヒソヒソと話しかけてくる隣の前田くん。